地域通貨とひきこもり
- コブル
- 2017年10月11日
- 読了時間: 2分
更新日:2018年9月24日
栃木県には「じねん」という地域通貨があります。(県内にはこのほかにもいくつかあります)
地域通貨とは特定の目的や地域のコミュニティ内などで、法定貨幣(円やドルなど)と同等あるいはまったく異なる価値があるものとして発行・流通される貨幣で、1980年代初頭にカナダで始まったものです。
法定通貨の持つ「政府が発行するという信用」を「取引するコミュニティ内の人々が、互いに尊重しあうことを担保にする信用」に置き換えているわけです。
ちょっとわかりにくいですかね・・・。
この地域通貨じねんの活動に参加しているのですが、前々からこの地域通貨とひきこもりの可能性について思うところがありました。※地域通貨じねんについてはこちら
先日、ひきこもりへの支援で著名な斎藤環先生が書かれた著書「ひきこもり文化論」を呼んだ際、このひきこもりに対する地域通貨の可能性について言及されていたので一部を抜粋してご紹介。
〜 以下抜粋 〜
私の地域通貨に関する理論的な理解 は、ほとんどすべて北海道大学の西部忠氏の諸論文に 依拠しています。氏の論点はさまざまな意味で私の臨床に通ずる点が多く、非常に示唆的 でしたが、とりわけ共感できたのは「 地域通貨は新しいコミュニケーションのメディアで ある」という主張です。 (中略) 貨幣によってわれわれは自由な個人として自律 することができる。しかし、従来の貨幣によって開かれる自由とは、消費者あるいは投資家として経済的意思決定を行うための自由 でしかありません。それを越えて真の自由を手にするためには、経済的かつ倫理的な側面 を併せ持つような貨幣、すなわち地域通貨が必要なのです。
斎藤環. ひきこもり文化論 (ちくま学芸文庫)
〜 ここまで 〜
著書ではさらに具体的に地域通貨を家庭内で使う「家庭内通貨」の運用理論について語られています。
「家庭内通貨」として地域通貨である「じねん」を使用し、家庭内で得た「じねん」をそれが使えるコミュニティで別の何かに交換することで社会とつながる。
そんな仕組みを作れるとよいなぁと考えています。

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