親なき後の生活については、当事者の年齢や親の年齢に応じて考えていくべきです。
現状の収入と資産、支出の把握から始め、何年後まで今の生活が維持できるかを確認します。
その後、親がいなくなった後の当事者の生活を考えるわけですが、働くことが難しいなら生活保護を受けることも視野に入れていきます。
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ひきこもりのライフプラン「親亡き後」をどうするか
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ですが、この「生活保護を受ける」ということに根強い抵抗感がある人もいます。
生活保護
ひきこもっていて、働けないなら生活保護を受けるのも選択肢だと思うのですが、
「働かず、税金も納めずにお金だけもらうなんて」
という批判があるのも事実です。
そして「ひきこもりの人が生活保護を受ける」ことに関していえば
・本人が怠けているだけ
・働ける能力があるのに働かない
といった偏見がその根底にあるのではないかと思います。そうすると
「このままでどうするんだ!ひきこもっていないで働け!」といった思考になる。
でもそれでは問題が解決しないのは、当事者の親や支援者にはよくわかっているわけで。
人は生きているだけで価値がある
生活保護を受けていると聞くと、障害のある方や、シングルマザーなどの生活困窮者を思い浮かべるのではないでしょうか?
そういった人たちにはわかりやすい理由や特性がある。(誤解を恐れずにこう書きます。もちろんこういった人たちが生活保護を受けることへの、社会からの偏見もあります。)
でもひきこもりの当事者の理由や特性はわかりにくい。本人が怠けているだけ、やる気がないだけ、根性がないだけ。そうとられやすい。
そのひきこもりに対する社会からの偏見が、この問題をより解決しにくいものにしている。
生活保護は最低限度の生活を保障するとともに自立を促すことを目的とする制度です。
制度を利用すること自体は否定されるものではないと思います。
人は生きているだけで価値がある。
セーフティーネット
誰でも、いつでも、障がい者や母子(父子)家庭、ひきこもりなど一般的に社会的弱者といわれる立場になる可能性がある。
だから生活保護の制度やそれを受ける人を批判することは(気持ちはわかるけれども)ちょっと想像力に欠けると思います。
生活保護はセーフティーネット。
セーフティーネットがあるからこそ、僕たちは安心して日々を暮らすことができる。
相互扶助、お互いに思いやりの気持ちを持てばもっと世の中は生きやすくなっていく。
それがひきこもり当事者の抱える問題を解決する一助になってほしいと願ってやみません。